ファスナーの用法

先日、7月に新調した雨具がついに活躍する日がありました。こんなにもワクワクしながら雨のなかに出勤した日はなかったかもしれません。通勤中も新しい雨具の防水性能に感心していました。やはり新しいうちは撥水性もよく快適です。でも、GORE-TEX®を使用した高級ラインナップの雨具には予算的に手が出せなかったので透湿性はそんなに良くないかもなぁ、湿気がこもるなぁとかぶつくさ独り言を言いながら通勤していました。

そして病院に着いて雨具を脱ぎます。ハンガーに雨具をかけて乾かして、あぁ湿気が一気に解放されて涼しくなって快適…と思ったのもつかの間。涼しいというかお腹が冷たい。映画の「永遠に美しく」で言えばゴールディ・ホーンの穴が開いたお腹のあたりが冷たい。ふと下を向くとゴールディ・ホーンと同じくらいのサイズでお腹のところが濡れております。なぜ。新しい雨具着ていたのになぜ。これはまさか不良品の雨具と遭遇してしまったのだろうか。でも二カ月も前に購入したものだから交換とかできるんだろうか。それともGORE-TEX®を使用したような高級ラインナップに手が出せなかったからだろうか、あの黒字に金色のGORE-TEXのロゴがカッコいいもんなぁ…とか余計なことが頭をよぎって混乱していました。

しかしちょっと待って、もう一人の冷静な自分の声が頭に響きます。家を出るところまで記憶をさかのぼってみました。朝起きて、陽が出ているはずの時間なのに外が暗いので、天気予報をみて窓の外をみて、お、雨だ。ついに雨だ。雨のなか出勤だ。そしてうきうき雨具を着て、ファスナーを閉めて、前立てのマジックテープはまぁ大体止めて、よし出発…え、大体?前立てのマジックテープを大体止めて?これです、絶対これが原因です。

止水ファスナー+内側に浸水防止生地が取り付けられている雨具もあるようですが、私のものは普通ファスナー+マジックテープ式の大きな前立てで雨の侵入をブロックするものでした。前立てをきちんと止めていなければただのファスナーです。そりゃ前立てがたわめば永遠に美しくみたいなところが濡れるわけです。一瞬でも疑ってしまったメーカーさんに心よりごめんなさい。。

その日の午前中は、お腹の冷えからくる腹痛にこっそり怯えながらの診察となりました。自業自得とはまさにこのことです。そして後日再び雨具の出番が来たときは、全く濡れませんでした。新しい相棒として仲間入りしてくれた雨具さん、ありがとうございます。これからも宜しくお願い致します。

薬で言うところの用法用量って、大切ですね。私の経験を反面教師として、皆さまはフィラリア予防薬やノミ・ダニ予防薬など、用法用量はきちんと守って使いましょうね。それでは秋風が心地よい季節、どうぞお健やかにお過ごしください。