英論文紹介: 献血ドナーリクルートの障壁
2月に入って雪が降ったり昼間は春のような日差しで暖かかったり不思議な日々が続いていますね。カエルや虫が春と勘違いして出てきているのを見かけましたが、そんな翌日にとても寒かったりすると、彼らはいったいどうして過ごしているのだろうかと心配になります。私はと言うと、花粉が飛び始めていることを皮膚が認識し始めていて目周りが痒くなったり流涙が増加したり。くしゃみも増加気味です。花粉を感じた際のくしゃみはなぜか2回連続で出る不思議。犬の場合、花粉症はくしゃみや鼻水よりも皮膚炎として出ることが多いように思いますので、もとから皮膚が弱い子たちはあんまり搔きむしってしまう前に動物病院へ相談に行きましょう。
さて、今回の英論文紹介は犬猫における献血ドナーの呼びかけ、リクルートに関して何が障壁となっているのかを追求したものです。私が更新している日本獣医輸血研究会のサイトもあわせてご覧下さい。
まずは前提知識からですが、以前もお話ししたように日本において動物用血液バンクは法的に認可されていないため、各動物病院ごとに献血ドナーを確保する必要があります。そのこと自体、動物のご家族の方々にとっては初耳であることも多く、皆さま大変驚かれます。そして理解を示して下さったご家庭の協力を得て、犬や猫から貴重な血液を献血してもらう事になるのですが、論文の筆者たちはその際にどのような障壁が存在するのかを研究されているのです。
たとえば、献血前にドナーの健康診断を実施したところ、肝疾患、心疾患、慢性腎臓病、アトピー性皮膚炎などの病気が見つかって、ドナー登録を断念せざるを得ないことがあったり。その他には健康状態良好でもハイテンションなわんこでじっとすることがかなわなかったり、猫さんだと緊張からシャーシャーしてしまう子もいたりして、中々ドナーとしてはキャラクター的に難しいケースがあることは万国共通なようです(筆者たちはイギリスの研究者)。また、動物側は特に何の問題がなくても、ご家族が遠方へ転居してしまったり、音信不通になってしまったりする場合も意外と多いそうですね。
病気によるドナー登録や継続断念は致し方ないものですが、動物のキャラクターによっては馴化のトレーニングによって献血できるようになることもあったりするので、普段の何気ないときからコミュニケーションを重ねていきたいところですね。まずはうちの犬猫からと思いますが、犬のシャーリーの方は院内だったらマテとかできるようになってきましたが、猫のタリの方は自由な校風で奔放に大きく育ってくれているので先日は健康診断用の採血でも大騒ぎでした。爪切りくらいなら大人しく出来るんですけどねぇ(ただしちゅーるの献上が推奨されます)。
ドナーの断念と言えば、私自身も献血に行った際、2回くらい断られそうになったことがあるのを思い出しました。1回目は献血に向かう途中でバラのとげが手に刺さってひっかき傷になっていたのを採血する看護師さんに指摘されました。お医者さんにその旨を説明したら献血許可が出ましたが、今度からは献血する前にバラの近くを通っていかないようにしようと思いました。横浜市の花はバラですからね、よく気を付けないと旬な時期はバラだらけです。
2回目は上記のアトピー性皮膚炎と近しいものがありますが、私は比較的皮膚が弱い方でして、冬場は手のケアを怠って洗い物をしていると主婦湿疹ができてしまいます。献血時に看護師さんにその手荒れを指摘されて、お医者さんの診察を受け直して再度オーケーをもらってからの献血となりました。冬場に手荒れゼロは中々難しいですね。それからという訳ではありませんが、私は洗い物をするときはお湯を使わないようにしています。真冬であっても水なんですが、毎日の洗い物で鍛錬を積むことで不思議と冷たく感じなくなりました。
そのおかげか近年は冬場も手荒れがだいぶ良くなりましたが、先日献血に行った際は水による洗い物の後で末端冷え性がたたったのか、血管が浮きづらいですと看護師さんに指摘されました。そう来るかぁ。なるほど。温かい飲み物を三杯くらい飲んで身体を温めてからリベンジしたら大丈夫になりましたが、私が目指す献血エリートへの道は中々困難であります。そのような試練にも負けずに引き続き献血を頑張っていきたいと思います。英論文紹介はいずこへ。