顕微鏡写真: 犬の標的赤血球2

これまで、なんとなく同じ細胞を紹介してきたことは無かったのですが、今回は過去に紹介したことのある標的赤血球が再び登場です。以前もお示しした通り標的赤血球は様々な場面でみられ、たとえば赤血球再生像が亢進しているときや鉄欠乏性貧血、その他に脂質代謝異常(甲状腺機能低下症)や肝疾患が挙げられます。あとは脾臓摘出後にも数が増加するとされています。

先日、血液塗抹を先入観なく観察していたら、やたらと標的赤血球と目が合いまして。たまたまこちらを見ているような、眼が2つあるような標的赤血球の写真をぱちり。

イヌ末梢血、対物レンズ100倍、Diff-Quik染色

なんだろうなぁ。肝臓でも具合悪いのかなぁと思って、生化学検査の所見をみたらALT300、ALP3,000オーバーとのこと。なるほど、肝臓が具合悪くて標的赤血球の数が増えているのかもなぁと。視野を変えてもやたらと目が合う標的赤血球。

イヌ末梢血、対物レンズ100倍、Diff-Quik染色

その後、腹部超音波検査をしていたら肝臓にも病変はあったのですが、いくら探せども脾臓が無い。おかしいなぁと思い既往症を確認したら脾臓の摘出歴があるとのことで。どおりで、やたらと標的赤血球と目が合う訳です。肝疾患と脾臓摘出のダブルというわけですか。なるほどなるほど。

イヌ末梢血、対物レンズ100倍、Diff-Quik染色

椅子に座って血液塗抹を見ているだけで肝疾患と脾臓摘出につながっていくなんて、中々あなどれないなぁと思いました。いや、ホントは血液塗抹の非特異的所見に思いを馳せる前に、既往症とか血液検査結果を確認しましょうねという話ではありますが、、